アレルギーを引き起こす主な原因は「チリダニ」です。アレルギーの緩和と予防のためにダニ対策は欠かせません。
アレルギーの中でも、特に「アトピー性皮膚炎」や「アレルギー性ぜん息」の患者数が急激に増加しています。 これらのアレルギーの最大の原因は、よく知られるスギやヒノキなどの花粉、卵や牛乳などの食品類ではなく、トップは「チリダニ」なのです。
ダニの死骸や脱皮殻、フンは、時間が経つと乾燥し、細かくくだけて微粉末となるので、布団の中綿やカーペットの毛足の奥、タタミの中から徐々に浮き出てきます。そして、布団の上げ下ろしや掃除機の排気、寝返りなどで空気中に舞い上がり、室内をフワフワと漂います。 私達は、これらを気づかない間に吸い込んでしまい、体内にどんどん蓄積させているのです。
死骸や脱皮殻、フンを減らすには、生きているダニを減らすしかありません。
幼児の布団のダニ対策が必要です
大人に比べて、睡眠中にも動きが激しくて寝返りが多く、うつぶせで寝ることも多い幼児。寝返りなどで布団から舞い上がったダニの死骸やフンを吸い込みやすいので、幼児の布団のダニ対策はとても大切です。
重症のアトピー性皮膚炎の子供をダニがほとんどいないサナトリウムに住まわせたり、ぜん息患者宅のダニ数を100匹/m2(g)※以下に減らした結果、発症がほとんど見られなくなったという報告があります。アレルギーの専門医や研究者は、アレルギーの緩和と予防のために、ダニ対策が重要であると指摘しています。
※1m2あたり掃除機を20秒間掛けて採取したホコリ1gあたりのダニ数
健康的な住環境の基準とは
厚生労働省の指導で、健康的で安全な住宅の普及を図る「NPO法人健康住宅普及協会」では、WHO(世界保健機構)のガイドラインと最近のアレルギー臨床報告から、家の中のダニ数が20匹/m2(50mg)※以下にすることを、健康的な住環境の基準としてます。
※1m2あたり掃除機を20秒間掛けて採取したホコリ50mgあたりのダニ数
アレルギーは、敏感な体質の人だけが発症するわけではありません。
確かに両親がアレルギーの場合、子供がアレルギーになる確率は高くなると言われています。しかし、アレルギーが発症するかどうかは、「体質的なもの」だけではなく、「家の中のダニの数」や「食生活」などによって大きく左右されます。
家族にアレルギーの方がいてもいなくても、アレルギーを発症する可能性は誰にでもあります。
体内のコップがあふれると、アレルギーを発症します
アレルギーの発症は、コップからあふれる水に例えられます。
アレルギーを引き起こす様々な原因が私達の体内に入ってきても、体内のコップが受け止めてアレルギーを発症しないように守っています。
けれど、これらが一定量をこえてコップからあふれた時、アレルギーが発症します。
アレルギー体質の人は、最初からコップに水が入っているのと同じで、許容量が少ないためコップがあふれやすく発症しやすいのです。
アレルギー原因が体内に入り込まないようにして、コップをあふれさせないようにすることが、アレルギー発症の予防に大きな効果があるのです。